


1月17日、気持ちのよい冬晴れの中、東京の乃木會館で「会席作法の会」を開催しました。
はじめに、長沼代表、そして関東の教室長より年頭のご挨拶。今年一年への想いと抱負が語られ、会場全体が引き締まった空気に包まれました。その後、皆さまで乾杯。和やかな雰囲気の中、今年のメインイベントである講座がいよいよスタートしました。
今回お迎えしたのは、SNSでも人気の“smile先生”こと「海野秀三郎先生」。その人気ぶりは想像以上で、募集開始後まもなく参加希望者が殺到。改めて先生への注目の高さを感じる会となりました。

ユネスコ無形文化遺産にも登録されている「和食」をテーマに文化とテーブルマナーについて教えていただきました。
会席・懐石・割烹の違いからはじまり、「おもてなし」という言葉の本来の意味についてのお話もありました。「もてなす」とは“物を持って成し遂げる”という意味があり、真心を尽くすこと。そして「表なし」、裏表のない心で接すること。どちらも、日本人が大切にしてきた精神そのものだと感じました。
おしぼりの語源が、江戸時代の旅籠で手ぬぐいを“しぼった”ことに由来しているというお話も印象的でした。普段何気なく使っているものにも、ちゃんと歴史があるのですね。
さらに、所作の美しさについても学びました。器から手を離すとき、指先をすっと伸ばしてハの字を意識する。相手からはそれが「末広」に見え、末に幸せが広がる縁起のよい形になるのだそうです。ほんの少し意識を変えるだけで、動きに品が生まれることに驚きました。
幕の内弁当と松花堂弁当の違いについても、背景や成り立ちを知ることで見え方が変わります。芝居の幕間に食べられたことが由来といわれる幕の内弁当と、器の中に美しく世界観を表現する松花堂弁当。同じ“お弁当”でも、込められた意味はずいぶん違います。
そして一番心に残ったのが、「いただきます」の語源のお話でした。神様に供えたものや目上の方からいただくものを、頭の上に掲げたことから生まれた言葉。日々口にしている挨拶に、深い感謝と敬意が込められていることを改めて知りました。
レストランでの座り方やナフキンの扱い方、お椀の蓋の開け方、ノックの回数、お寿司のいただき方まで、内容は盛りだくさん。海野先生の軽快でわかりやすいお話に、会場は何度も笑顔に包まれました。


講演終了後には「先生と一緒に写真を撮りたい」と声をかける方が次々と。自然とできた小さな列からも、その人気と人柄が伝わってきました。今回の講座で、さらに多くのファンが増えたことは間違いなさそうです。
そして乃木會館のお料理は、見た目も味わいも素晴らしく、まさに学びを体感できるひととき。おいしいだけでなく、背景を知りながらいただくことで、より深く味わえたように思います。



和食は、料理だけでなく、言葉や所作、心づかいまで含めた文化そのもの。
日常の食卓も、今日から少しだけ丁寧に向き合いたくなる、そんな豊かな一日となりました。
長沼静きもの学院では今後も日本文化を楽しく学べる機会を大切にしてまいります。
海野秀三郎先生のInstagramはこちらからご覧いただけます https://www.instagram.com/unnokikaku.736/