10月29日の「和服の日」と11月15日の「きものの日」は、いずれも日本の伝統衣装である「きもの」に親しむことを目的とした記念日です。
本記事では、それぞれの記念日の由来や、関連する行事・イベントなどのきもの関連情報もあわせてご紹介します。
和服の日（10月29日）の由来
10月29日は「和服の日」。一般社団法人・日本記念日協会にも正式に認定・登録されている記念日です。
この日は、ファッション関連の店舗を全国で展開する株式会社鈴花商事によって制定されました。語呂合わせの「1（いい）0（わ）29（ふく）」＝「いい和服」にちなみ、和装文化への親しみや関心を深めてもらうことを目的としています。
「和服の日」には、普段は洋服を着ている方も、この日はきものを身にまとい、日本の伝統美を再発見してみてはいかがでしょうか。
きものの日（11月15日）の由来
「きものの日」は、1966年（昭和41年）に設立された全日本きもの振興会、そして一般社団法人・日本きもの連盟によって制定されました。
11月15日が選ばれた理由は、「七五三」にちなんでいます。七五三は、子どもが晴れ着を着て神社にお参りする、日本の伝統行事の一つ。この日が「家族できものを着る喜び」と深く関わっていることから、きものの日も同日に定められました。
きものを通して世代を超えたつながりを育み、普段の生活の中でも和装を取り入れるきっかけとして全国各地でイベントが開催されています。こちらも日本記念日協会により正式に認定・登録されており、毎年この時期には百貨店や呉服店などでキャンペーンや展示が行われます。
その他のきもの関連の記念日
日本には、和装文化を広めるために制定された記念日がほかにもあります。ここでは、代表的な日をいくつかご紹介します。
成人の日（1月第2月曜）
成人の日は国民の祝日であり、年間を通して最もきものが注目される日といえるでしょう。この日は全国各地で成人式が行われ、新成人たちがそれぞれの門出を華やかに祝います。
振袖は未婚女性の正礼装とされ、色鮮やかな柄や長い袖が特徴です。
男性は紋付羽織袴を着用する方も多く、凛とした佇まいが節目の日にふさわしい品格を感じさせます。
呉服の日（5月29日）
呉服の日は、「529（ごふく）」の語呂合わせにちなんで制定された日です。
この時期には、全国の百貨店や呉服店で特別セールやイベントが行われ、夏のゆかたや単衣のシーズンに向けて、多くの人がきものを楽しめます。
季節の変わり目にきものを見直す、良いタイミングともいえるでしょう。
ゆかたの日（7月7日）
ゆかたの日は、1981年（昭和56年）に日本ゆかた連合会によって制定されました。七夕の日にちなみ、「夏の訪れとともにゆかたを楽しんでほしい」という想いが込められています。
初夏から夏祭りにかけて、涼やかなゆかた姿が街を彩る季節。この日をきっかけに、気軽に和装を楽しむ人が増えるよう、多くの地域で関連イベントやキャンペーンが開催されています。
和服の日・きものの日付近に行われる関連イベント紹介
10月末から11月にかけては、秋の行楽シーズンと重なり、各地で和装イベントが開催されます。
きものの日2025 in 京都／京都織物卸商業組合
会場は明治時代の洋館として知られる京都の長楽館で、きもの姿の参加者を対象に、特製のケーキセットを味わいながら優雅な時間を過ごせます。
会場内はフォトジェニックな空間が広がり、2階エリアでは自由に撮影が可能。クラシカルな建物ときもの姿が調和する美しい写真が残せます。
2025年11月14日（金）に開催され、事前申込が必要です。
きものサローネ2025
全国のきものファンが集う、日本最大級の和装イベント「きものサローネ2025」が、今年も開催されます。
会場は東京・丸の内にある東京国際フォーラム。開催日は2025年11月1日（土）・2日（日）の2日間で、100を超えるブランドやメーカーが一堂に会します。
イベントでは、新進ブランドから老舗の名店まで幅広い出展者が集まり、きものや帯、小物などの展示販売のほか、トークショー、ファッションショーなども行われます。
「小山きものの日」イベント／小山市
栃木県小山市で開催される「小山きものの日」は、市の伝統産業である本場結城紬（ゆうきつむぎ）の魅力を広く発信するために行われている地域イベントです。毎年11月中旬に開催され、2025年は11月16日（日）の実施が予定されています。
当日は、結城紬織物展示や着付け体験、和楽器の生演奏など、多彩な催しが行われます。
学びの秋キャンペーン／長沼静きもの学院
長沼静きもの学院では、秋の学びを応援するキャンペーンを開催中です。
和服の日」「きものの日」に合わせて、新たにきものを学び始める方への特典や体験レッスンが用意されており、初心者でも気軽に参加できます。
まとめ
10月29日の「和服の日」と11月15日の「きものの日」は、いずれも和装文化の普及を目的とした大切な記念日です。さらに、「成人の日」や「ゆかたの日」など季節ごとにきものを楽しむ機会にも注目が集まります。
記念日をきっかけに、久しぶりに袖を通してみたり、街歩きやレッスンを楽しんだり。きものを日常に取り入れることで、季節の移ろいや日本の美意識をより深く感じられるでしょう。
伝統文化を未来へつなぐ第一歩として、この秋はぜひきものを楽しんでみませんか。
