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KIMONOIST(キモノイスト)2025アワード授賞式レポート

全校共通

10月7日(火)に「KIMONOIST 2024」アワード授賞式が開催されました。

「KIMONOIST」アワードを通じ、時代と共に変わりゆく美意識や価値観の中で、日本の民族衣装である「キモノ」が、大人の嗜みとして愛されるファッション文化として、サスティナブルかつグローバルに定着することを目指すことを目的とし、日本の伝統産業や職人にもフィーチャーし技術の継承を未来へつなぐ取り組みのために 2021年に発足した「KIMONOIST」は、節目の 5 年目を迎えた本年、文化庁の協力を得た初めての「KIMONOIST」アワードとなります。

「キモノイスト」とは、新しく進化する これからの 「キモノ」を着ていただきたい方に贈られるアワード
です 。 「キモノイスト」は、「着物」が好きな方や似合う方に限らず、「未来のキモノ」を示唆し、「キモノ」を最新のスタイルでありモードとして発信を担うスタイリストとして、実行委員会にて選考いたします。新しく進化する日本の「伝統や文化」をその生活様式に写し取る新時代の生き方、楽しみ方を提案できる方々に「キモノイスト」 の称号は贈られます 。

その想いに賛同し、長沼静きもの学院は、今年も協賛しております。

キモノイスト公式サイトはこちら

記念すべき本年は、仁科亜季子さん・高橋克典さん・大黒摩季さん・唐田えりかさん・長濱ねるさん・枝並千花さ
んの 6 名が「KIMONOIST 2025」を受賞。和楽器の音色が奏でられるなか「KIMONOIST2025」アワードが行なわれました。

以下、受賞者のコメントは登壇順に記載します

KIMONOIST 2025受賞者コメント

長濱ねるさん

受賞を聞いたときはとても驚きましたが、同時に光栄な気持ちでいっぱいでした。きものを着ると自然と背筋が伸びて、心まで美しくなれる気がします。
今日の着物は普段よりも大人っぽく、自分の背中を押してくれるような一着です。

きものにはレースや繊細なディテールもあり、親しみやすいデザインでした。
未来の世代にもこの素晴らしい文化を伝えていきたいです。

受賞理由:長濱ねるさんは、俳優、エッセイストとジャンルを横断して活躍する長濱ねるさんは、儚げな雰囲気と柔らかな空気感を身に纏う。肩の力を抜いた自分らしさがとにかく魅力的に映る。キモノを纏った長濱ねるさんは豪華さや文化を優先するより、きっと「自分らしさ」を一番にいとも簡単に着こなしてしまうのが目に映る。

斉藤上太郎氏スタイリング:長濱さんには、都会的でモード感のある着物をコーディネート。
繊細な赤い木立柄の帯を合わせ、大人の華やかさを演出。
小物や半襟のアクセントが効いた令和らしいスタイルが完成しました。

枝並千花さん

このような素晴らしい賞をいただき、本当に光栄です。
初めてこのきものを見たとき、“品格と情熱”という言葉が浮かびました。
私が大切にしているステージでの心構えそのもので、いつかこの着物で演奏したいと思いました。

クラシック音楽と和の世界、どちらも伝統芸術。このきものを通して、新たなエネルギーを感じています。
ジャンルを越えて、音楽と芸術を未来へ伝えていきたいです。

受賞理由:クラシックヴァイオリンの世界で活躍する枝波千佳さん。
音楽に気持ちをのせて伝えるその姿勢と情熱が、多くの人を魅了している。
「伝統を守りながら新しい表現に挑む」その精神は、着物文化と通じるものがある。

斉藤上太郎氏スタイリング:枝波さんのきものは、色を排したモノトーンで統一。
墨の濃淡による奥行きが力強く、狂言者のような気品と静謐さを兼ね備えたスタイルになりました。

唐田えりかさん

このような素敵な賞をいただき光栄です。今日のきものは普段よりシックな色味で、とても落ち着いた気分になりました。きものを“個性として楽しむ”ことの魅力を初めて感じました。
役を演じる上で、日常を大切にすることを心がけています。日々の生活が芝居に反映されると思うので、自分の時間を丁寧に過ごしながら、きもののように“生き方を映す装い”をしていけたらと思います。

受賞理由:出演するたびに強い印象を残す女優・唐田えりかさん。自由で軽やか、同時に芯のある強さを感じさせる表現者として、彼女に「次代の着物の姿」を託したいという思いから選出された。

斉藤上太郎氏コーディネート:ベージュ地に墨色のフラワーモチーフを施した、ワンピースのようなきもの。
草原を思わせる帯を合わせ、都会的でシックな中に可憐さを残しました。光沢のある半襟や小物がアクセントとなり、個性を引き立てています。

大黒摩季さん

今、全国ツアーの真っ最中ですが、この素敵な機会に呼んでいただけて光栄です。
斎藤上太郎先生とは以前からご縁があり、ライブ衣装でもお世話になっています。
この着物も“和太鼓を打つロッカー”のように、力強さと繊細さを兼ね備えたデザインに仕立ててくださいました。

お着物って、繊細な糸から始まり、職人の手によって何層にも積み重なっていく。それは音楽の創作と同じ。
今日のスタイルも、そんな“繊細さと大胆さの共存”がテーマになっている気がします。
これからも歌とファッションで、自分らしい表現を届けていきたいです。

受賞理由:日本を代表するシンガーソングライター・大黒摩季さん。
「音楽に出会えたからこそ生きてこられた」と語るように、彼女の歌には常に真っすぐな情熱とメッセージが込められている。音楽とともに進化を重ねるその生き方こそ、きもの文化が求める“しなやかな力強さ”を象徴している。

斉藤上太郎氏コーディネート:大黒さんのために仕立てられたのは、紬地に竜巻絞りを施した唯一無二のきもの。
ブルーとパープル、そしてピンクのグラデーションが織りなす大胆な配色に、ヨーロッパの意匠を取り入れた深いバーガンディ色の帯を合わせました。ロックなエッセンスと日本の伝統美が共鳴するスタイルである。

仁科亜季子さん

4歳の頃から日常的にきものを着て育ちましたが、今回の衣装は最初、少し難しいかしらと思いました。
それでも上太郎先生が『こう着てみましょう』と提案してくださって、新しい発見がありました。
自分では思いつかないようなコーディネートで、72歳にして新しい境地を体験できたことが嬉しいです。

きものというと昔は“決まりごとが多くて難しい”印象がありましたが、先生の提案で、まさに“アートのような現代きもの”に出会いました。若い方にも、年齢を重ねた方にも、ぜひもっと自由に楽しんでほしい。
新しい感性で街を歩く人が増えたら素敵ですね。

受賞理由:長年にわたり舞台やドラマで活躍し続ける仁科亜季子さん。常にポジティブで、飾らない自然体の美しさが印象的である。「気を楽に、それは“気楽に”につながる」という彼女の信条は、伝統を肩肘張らずに楽しむきももの精神そのものだ。

斉藤上太郎氏スタイリング:上品で古典的な花柄のきものに、鶴羽紋様の帯を重ね、黒の小物で全体を引き締めました。透け感のある羽織を合わせることで、クラシカルでありながら軽やかさを感じさせる。
まさに“現代の花鳥風月スタイル”と呼ぶにふさわしいコーディネートです。

高橋克典さん

「着物には詳しくありませんが、時代劇で少しずつ触れるうちに興味が湧いてきました。
“新しい古典”というテーマの通り、今日のスタイルは軽やかで現代的。
ポケットがついていたり、まるでコートのような感覚です。」

「若い頃はアメリカ文化の影響が強く、カジュアル一辺倒の時代でした。
けれど年齢を重ねるにつれ、着物の奥深さや職人の技に心惹かれるようになりました。
無理に構えず、自然に着こなすことで日本の美意識を日常に取り入れたいと思っています。」

「ご近所にも、着物を粋に着こなして自転車で走る方がいるんです。
あんなふうに、さりげなく和服を楽しむのが理想ですね。」

受賞理由:高橋克典さんは幅の広い役柄をサラリとこなし、様々なタイプの人間像を演じ切る。その一つ一つの役柄は常に印象深く観るものの心に刻まれる。そんな高橋さんのキモノ姿をイメージするならば、そこには若々しい次世代の大人のキモノスタイルが存在し、「新しい古典」の道標ができるだろう。

斉藤上太郎氏スタイリング:太さの異なる縞格子が特徴の着物に、織の表情が豊かな羽織を合わせました。
軽やかな単衣仕立てで、スプリングコートのように羽織れる仕様。
首元には帯揚げをチーフのようにあしらい、モダンで洗練された男性の着物スタイルを提案しました。

受賞者の皆さまそれぞれに似合ったコーディネートのきものを素敵に着こなしておられ、新しい時代に向けてのきものへの熱い想いが感じられる素敵なランウェイでした。思い思いにコーディネートをされたきものをお召しの来場者の方も多くいらっしゃり、とても華やかで魅力あふれる、素敵な授賞式に参加でき光栄でした。

これからも長沼静きもの学院は、きものを愛する皆さまを応援して参ります!

KIMONOIST受賞者の皆さまと斉藤上太郎氏の集合写真

過去記事:KIMONOISTアワード2024はこちらからご覧ください

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